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東京商工会議所(会頭=小林健氏)の第21回「勇気ある経営大賞」(実行委員長=倉石誠司副会頭・本田技研工業特別顧問)にて、ビル空調用フィルターメーカーのユニパック(社長=松江昭彦氏、本社・埼玉県川口市)が〝降灰シミュレーション装置を開発し、富士山噴火に対応した火山灰フィルターの製造に挑戦〟が評価され、奨励賞[建設業部門]と会員企業賞を同時受賞した。本大賞にて2つの賞を同時に受賞したのは史上初。本大賞は過去に拘泥することなく、常識の打破に挑戦し、高い障壁に挑み、高い理想の追求を行う等、勇気ある挑戦をしている中小企業またはグループを顕彰する東京商工会議所の事業。ユニパックが開発した火山灰専用のプレフィルタ「南風(なんぷう)」はメッシュの遮り効果に着目し、これをフィルタに応用してミクロン(μm)サイズの微粒子捕集を狙った火山灰専用のプレフィルタ。紫外線耐性があり、対有機溶剤にも強いテトロンで80μmのメッシュを作り、これをろ材に用いている。その性能を万人にしらしめることになったのが、2012年8月の桜島噴火だ。鹿児島市には大量の降下火山灰が降った。同社はこの噴火前から、市内の放送局など複数の施設に「南風」を導入していたが、外気取入口からの降下火山灰の侵入を高効率に防ぎユーザーを驚嘆させた。「南風」の驚異的な補修能力は学術機関、公共機関も注目。鹿児島大学大学院は同社と共同で性能試験を実施し、桜島の降下火山灰を8割以上捕集することを確認している。また、いざ富士山噴火となれば行政区域全域に大きな影響を及ぼすこともあり、東京都も「南風」の評価を独自に行っており、東京都中小企業振興公社支援商品として認定している【写真は表彰式に臨んだユニパックの松江昭彦社長(左)と同社の住田章夫氏(右)】